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名前

     fbe - アセンブラ


形式(SPARC)

     fbe [ -b ] [ -K PIC ] [ -L ] [ -m ] [ -m32 ] [ -m64 ] [ -n ]
     [ -o outfile ] [ -P ] [ -Dname ] [ -Dname=def ] [ -Ipath ]
     [ -Uname....  ] [ -q ] [ -Q{y|n ] [ -s ] [ -S[a|C] ] [ -T  ]
     [ -V ] [ -xarch=v ] [ -xF ] filename...


形式(x86)

     fbe [ -m ] [ -m32 ] [ -m64 ] [ -n ] [ -nH ] [ -o outfile ]
     [ -P ] [ -Dname ] [ -Dname=def ] [ -Ipath ] [ -Uname...]
     [ -Qy|n ] [ -s ] [ -V ] [ -xmodel=[a] ] IF filename ...


使用条件

     SUNWsprot


機能説明

     fbe コマンドは、アセンブリ言語で書かれたソースファイル files
     からオブジェクトファイルを生成します。


共通オプション

     次のオプションは SPARC と x86 の両方に共通して適用されます。
     いずれの順序で指定してもかまいません。

     -b          ソースブラウザ用のシンボルテーブルの追加情報を生
                 成します。

     -Dname

     -Dname=def  -P オプションが一緒に指定されている場合、これ ら
                 の オ プションは cpp(1) プリプロセッサに渡され、
                 fbe コマンドでは解釈されません。それ以外の場合に
                 は、無視されます。

     -Ipath      -P オプションが一緒に指定されている場合、この オ
                 プションは cpp(1) プリプロセッサに渡され、fbe コ
                 マンドでは解釈されません。それ以外の場合は無視さ
                 れます。

     -i          プリプロセッサからの行番号情報を無視します。

     -m          アセンブラへの入力に対してマクロプロセッサ m4(1)
                 を実行します。

     -m32|-m64   ELF 形式の 32 ビットまたは 64 ビットオブジェクト
                 コードを生成します。

     -n          アセンブル中にすべての警告が出されないようにしま
                 す。

     -o outfile  アセンブルの結果を出力ファイル outfile に出力 し
                 ます。デフォルトでは、出力ファイル名は入力ファイ
                 ル名の .s 接尾辞を .o 接尾辞に置き換えたものとな
                 ります。

     -P          アセンブル対象ファイルに対して C プリプロセッ サ
                 cpp(1)  を実行します。プリプロセッサは各入力ファ
                 イルごとに別々に実行されます。結果はアセンブラに
                 渡されます。

     -Qy|n       n オプションが指定されている場合、出力オブジェク
                 ト ファ イルのコメントセクションに、アセンブラの
                 バージョン情報が出力されます。y オプションが指定
                 されている場合は、この情報は出力されません。

     -s          .stabs セクションにすべてのスタブ (stab) を入 れ
                 ま す。 デフォルトでは、スタブは stabs.excl セク
                 ションに入ります。その場合、これらのスタブは最後
                 の 実行時に静的リンカー ld(1) によって取り除かれ
                 ます。 -s オプションを使用すれば、 .stabs  セ ク
                 ションは静的リンカーによって取り除かれないので、
                 スタブは最後の実行可能コードに残されます。

     -Uname      -P オプションが一緒に指定されている場合、この オ
                 プ ションは cpp(1) プリプロセッサに渡され、as コ
                 マンドでは解釈されません。それ以外の場合には、無
                 視されます。

     -V          アセンブラのバージョン番号を標準エラー出力に出力
                 します。

     -Y          m4 か cm4def、またはその両方用のディレクトリを指
                 定します。

  SPARC 用オプション
     -b           Sun ソースブラウザ用のシンボルテーブルの追加 情
                  報を生成します。

     -K PIC       位置独立コードを生成します。x86 アセン ブ ラ で
                  は、-K PIC フラグはサポートされません。

     -L           通常は領域を節約するために破棄される一時的な ラ
                  ベルなどを含む、すべてのシンボルを ELF シンボル
                  テーブルに保存します。

     -q           高速アセンブリを実行します。 -q オプションを 使
                  用 すると、多くのエラー検査が実行されなくなりま
                  す。
                  注: このオプションを指定すると、多くのエラー 検
                  査 が無効になります。手作業で作成したアセンブリ
                  言語プログラムをアセンブルする場合、こ の オ プ
                  ションは使用しないことを推奨します。

     -S[a|C]      生成されたコードの逆アセンブルを行い、結果を 標
                  準出力に出力します。
                  o このオプションに文字 a を付けると、各アセンブ
                  リ コードに、そのセクションの相対アドレスである
                  ことを示すコメント行が追加されます。
                  o このオプションに文字 C を付けると、コメント行
                  は出力されません。

     -T           4.x アセンブリファイルを 5.x システム上でアセン
                  ブ ルするための移行オプションです。このオプショ
                  ンを使用すると、4.x アセンブリファイル内のシ ン
                  ボル名は 5.x のシンボル名として解釈されます。

     -xarch=v8a   このオプションを指定すると、ア セ ン ブ ラ は、
                  fsmuld  命令を除き、SPARC V8 アーキテクチャーで
                  定義された命令を受け付けます。生成され る オ ブ
                  ジェ クトコードは、コンパイルで -m32 を使用する
                  と ELF32 形式、-m64 を使用すると ELF64 形式にな
                  り ます。これは、-xarch= オプションのデフォルト
                  となります。

     -xarch=sparc このオプションを指定すると、アセンブラは、SPARC
                  V9 アーキテクチャーで定義された命令を受け付けま
                  す。生成されるオブジェクトコードは、コンパイ ル
                  で  -m32 を使用すると ELF32 形式、-m64 を使用す
                  ると ELF64 形式になります。なお、SPARC V8 シ ス
                  テム (V8 プロセッサを搭載したマシン) では実行さ
                  れません。SPARC V8+ システムでは実行されます。

     -xarch=sparcvis
                  このオプションを指定すると、アセンブラは、SPARC
                  V9  アー キ テ ク チャー で定義された命令および
                  Visual Instruction Set (VIS) version 1.0 の命令
                  を 受 け 付けます。生成されるオブジェクトコード
                  は、コンパイルで -m32 を使用すると V8+ELF32  形
                  式、-m64 を使用すると ELF64 形式になります。V8+
                  プロセッサ上の Solaris システムで動作します。

     -xarch=sparcvis2
                  このオプションを指定すると、ア セ ン ブ ラ は、
                  SPARC-V9  アー キ テ クチャーで定義された命令、
                  Visual Instruction Set (VIS) version 2.0  の 命
                  令、UltraSPARC-III 拡張を受け入れることができま
                  す。生成されるオブジェクトコードは、コンパイ ル
                  で -m32 を使用すると V8+ELF32 形式、-m64 を使用
                  すると ELF64 形式になります。

     -xarch=sparcfmaf
                  UltraSPARC 拡張 (Visual Instruction  Set  (VIS)
                  version  1.0  な ど )  や  UltraSPARC-III  拡張
                  (Visual Instruction Set (VIS) version 2.0 な ど
                  )、 SPARC64 VI の浮動小数点乗加算の拡張に加えて
                  sparcfmaf バージョンの SPARC-V9 ISA 用に定義 さ
                  れた命令を受け付けます。

     -xF          実行可能コードのパフォーマンス解析に関する追 加
                  情 報をアナライザを使用して生成します。入力ファ
                  イルに stabs (デバッグ用の指令語) が含まれて い
                  な ければ、アセンブラはアナライザが必要とするデ
                  フォルトの stabs を生成します。 dbx のマニュ ア
                  ルページを参照してください。

  x86 関係のオプション
     -nH          「ハードウェア機能」セクションの生成を抑止し ま
                  す。


環境

     TMPDIR
      通常、ディレクトリ /tmp に一時ファイルを作成します。環境 変
      数  TMPDIR を使用して別のディレクトリを指定することもできま
      す。( TMPDIR が有効なディレクトリでなければ、/tmp が使用 さ
      れます。)


ファイル

     デフォルトでは、as は一時ファイルを /tmp に作成します。


属性

     次の属性については、 attributes(5) を参照してください。

     _________________________
    |  属性タイプ  属性値 |  |
    |_____________________|__|
    | 使用条件    SPROlang|  |
    |_____________________|__|



関連項目

     attributes(5)cc(1B)cpp(1)ld(1)m4(1)nm(1)strip(1)tmpnam(3S)a.out(4)


注意事項

     SPARC の場合、フラグ -P があると、 cpp シンボル __sparc が設
     定 さ れ ま す。 -m32 フラグでは __sparcv8、 -m64 フラグでは
     __sparcv9 になります。

     x86/x64 の場合、フラグ -P があると、シンボル __i386 が設定さ
     れます。 -m64 フラグでは __amd64 になります。

     -m ( m4(1) マクロプロセッサを起動) オプションを使用 し た 場
     合、 m4(1) がアセンブラのシンボルと実際の m4(1) マクロのキー
     ワードを区別することができないため、 m4(1) のキーワードを 入
     力ファイル内でシンボル (変数、関数、ラベル) として使用できな
     くなります。

     アセンブラには、できるだけ cc(1B) などのコンパイラプログラム
     を介してアクセスするようにしてください。

     未定義のシンボルはすべて、大域シンボルとして扱われます。